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動物歯科について

犬の不正咬合について

Malocclusion
このページを監修した獣医師
獣医師 樽野謙太(たるのどうぶつ診療所 院長)
獣医師 樽野 謙太
たるのどうぶつ診療所(院長) 詳しいプロフィールはこちら
資格 獣医師免許
日本小動物歯科研究会レベル4認定
ペット栄養管理士
ISVPS 小動物歯科・口腔外科学認定医

不正咬合(ふせいこうごう)とは

咬合とは噛み合わせのことです。
本来の犬の噛み合わせでは、上の前歯の後ろに下の前歯があり、下の犬歯の後ろに上の犬歯があるのが正常な状態です(一部犬種は除く)。この噛み合わせが異常な状態を、不正咬合と言います。

不正咬合では、生まれつき上下のあごの長さが違うもの(骨格性不正咬合)と、乳歯の生え変わりがうまくいかないことで起こるものが多く見られます。

また、骨格性不正咬合にはクラスⅠ・クラスⅡ・クラスⅢという分類があります

中でもクラスⅡの不正咬合は、上あごに比べて下あごが短い噛み合わせのことを言いますが、下の犬歯が上あごにあたりやすくなるため注意が必要です。

  • 以前は、正中がずれるクラスⅣという分類もありましたが、現在は不正咬合には分類されません。
不正咬合とは

不正咬合の種類

クラスⅠ
(クロスバイト)

上下のあごの長さに異常は無いが、一本もしくは複数の歯の位置に異常がある不正咬合。
クロスバイト
クラスⅡ
(オーバーバイト または オーバーショット)

上あごが長い、もしくは下あごが短い不正咬合。

オーバーバイトまたはオーバーショット
クラスⅢ
(アンダーバイト または アンダーショット)

下あごが長い、もしくは上あごが短い不正咬合。いわゆる「受け口」。

アンダーバイトまたはアンダーショット

原因

不正咬合には、遺伝的要因と環境要因が関係しています。どちらか一つが原因となっているものもあれば、どちらも原因となっており複雑に関係しているものもあります。

遺伝
あごの長さは、多くの場合は遺伝的に決まっています(程度には個体差があります)。
親犬が不正咬合であったり、不正咬合のDNAを引き継いでいる場合は、その子犬も不正咬合である可能性が高くなります。遺伝的要因を防ぐには、適切な繁殖をするほかありません。
なお、犬種によってはクラスⅢの「受け口」が正常とされるものもあります。
遺伝

乳歯遺残
永久歯は、通常は乳歯の下から生えてくるものであり、正常であればこの時に乳歯も抜けるようになっています。
この時に何らかの原因で乳歯が抜けないことがあり、永久歯がずれて生えてきてしまう状態のことを乳歯遺残と言います。
乳歯遺残は、遺伝的要因および環境要因どちらも関係している不正咬合の原因の一つです。
乳歯遺残

不正咬合の症状

不正咬合による明らかな症状は、一般的には見られないことがほとんどです。
犬にとって違和感や痛みがある場合も考えられますが、食事が摂れないほどの痛みが出ることはほぼありません。

治療方法

当院の治療方針
まずは治療が必要か否かを判断させていただきます。
主に治療が必要となるのは以下の二つです。
なお、審美的(見た目)な理由を目的とした治療は勧められません。
特にドッグショーで良い賞を獲るためだけに行う治療は、その形質が遺伝し異常をもった犬が増える可能性があることから、当院では治療を行えません


抜歯
乳歯遺残(何らかの原因で乳歯が抜けない・抜けるのが遅い)によって起こる不正咬合には、抜歯が効果的です。
また軽度のクラスⅢの不正咬合の場合、下の犬歯と上の切歯(3番目の前歯)があたることがあります。この場合は、切歯を抜くことで犬の不快感を取り除くことができます(抑制矯正と言います)。

歯列矯正
永久歯に対して矯正を加えることで、歯の移動を促す治療方法です。
コンポジットレジンと呼ばれる粘土のようなものを使う場合や、エラスティックチェーンというゴムを付けて動かす場合があります。
歯列矯正

生活歯髄切断処置
下あごの犬歯が内側に寄ってしまう不正咬合を起こした場合、犬歯が口蓋(上の歯の内側の粘膜)に刺さってしまい、傷をつけてしまったり違和感が生じてしまいます。
これらを防ぐために、犬歯が刺さらない長さに歯を切る処置を行うことがあります。
生活歯髄切断処置

不正咬合の治療事例
不正咬合の治療事例
こちらはプードルの噛み合わせの治療事例です。右下の犬歯が上顎に当たっており、上顎が凹んでしまっていました。
不正咬合の治療事例
今回は犬歯の位置を矯正するために、インクラインキャッピング(レジンで歯を伸ばして矯正する治療方法)を行いました。
不正咬合の治療事例
治療から10日後にレジン部分が取れたため確認を行ったところ、犬歯が良い位置まで矯正されていたので、それ以上の追加処置は行いませんでした。
不正咬合の治療事例
さらに、治療から2週間後には、歯肉への障害が無い位置まで自然に矯正されています。
他の不正咬合の治療事例を見る

予防方法

遺伝によって起こる不正咬合を飼い主さんが防ぐのは困難ですが、歯の生え変わりの時期に乳歯遺残をチェックすることは不正咬合の予防にとても効果的です。

特に小型犬は乳歯の生え変わりがうまくいかないことが多くあるため、注意が必要です。この場合は早期に乳歯を抜いてあげることで不正咬合を予防することができます。
生後4~6か月の時期に、動物病院で乳歯の状態を細かくチェックしてもらうのが良いでしょう。

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