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歯科治療事例
Case

歯が折れた(割れた)わんちゃん。残すための治療

本症例の記録
犬種:柴犬
性別:メス
年齢:9歳
体重:9.6㎏
お住まいの地域:県内
  • 病名:複雑性歯冠破折(右上顎第四前臼歯)および単純性歯冠破折(左上顎第四前臼歯)
  • 処置:抜髄根管充填
  • 処置時間:3時間
  • 麻酔時間:4時間
  • 麻酔状態:良好
  • 基礎疾患:なし
  • 使用機材:
    マイクロスコープ、歯科ユニット、エンドモーター、根管長測定器 他

これまでも歯が割れたわんちゃんをご紹介しました。

今回は歯が割れて神経が出たわんちゃんの神経を抜く治療をして歯を残したわんちゃんをご紹介します。


まず、歯が割れた場合大きく分けると神経(歯髄)が露出していない場合と露出している場合があります。

この子の反対の歯は割れてはいましたが、神経は出ていませんでした。


神経が出ていない場合でも象牙質が出ていますので処置をしました。

 

神経(歯髄)が露出した状態を露髄といいます。

露髄した場合、歯髄は細菌による感染を起こします(化膿)。

露髄して時間がたっていなければ、感染はわずかなので感染した部分の歯髄を取り除いて神経を保護してふさぐ事で神経も残すこともできます。

一方、ある程度時間が経ってしまうと感染が歯髄の奥まで到達してしまうので歯髄を残すのが難しくなります。そのような場合は歯の中の神経と細菌をすべて取り除いて感染源をなくす治療を行います。

これを歯内療法と言います。いわゆる神経を抜くと言われる治療です。

人の歯科治療で歯内療法を行う場合のほとんどは虫歯によって神経が感染を起こしている場合です。

一方わんちゃんの歯内療法は主にこの子のように歯が割れた場合に行います。

特に歯が割れて時間が経ってしまったけれど歯を残したい場合はこの治療の適応になります。

治療をすれば100%残せる(治せる)わけではありませんが本人が快適かつ歯を温存するには今のところこの方法しかありません。

 

歯が割れて(欠けた、折れた、壊れた)露髄した場合の治療の選択肢をまとめると

①生活歯髄切断:断髄 (神経を残す治療:折れて比較的早期に限られる)

②抜髄根管充填:歯内療法

③抜歯

この中から、年齢や麻酔リスク、飼い主様の希望、予算などによって選択します。

 

割れてそのままにしておくことはお勧めしません。そのままにしているということはお口の中に神経が出たままということです。

想像するだけで痛そうですよね。

また感染した歯髄は時間が経つと歯の根っこの先に膿を作って、最後には膿が目の下に出たり歯ぐきから出たりします。

必ず歯髄を残す治療をするか、歯内療法をするか、抜歯をするかしてあげてくださいね。

 

今回の症例は、飼い主様のご希望で歯内療法を行いました。

簡単に治療内容を紹介します。

・検査:レントゲン、プロービング(探針での探索)を行い残せる状態か、根尖病巣があるかを確認

・事前準備:汚れをきれいに除去しラバーダムをかける作業を行う

・消毒:ラバーダムおよび歯の周囲を消毒する

・髄腔開拡:歯髄にまっすぐにアプローチする穴をあける

・抜髄:歯髄を取り除く

・根管形成:根管を広げて汚れを取り除き、また洗浄しやすく充填をしやすい形状に形成する。

・根管洗浄:汚れを洗浄する。

・根管充填:ガッタパーチャ等で拡大した根管を埋める。

・歯冠修復:上部をCR等で充填、形成する。

簡単に記載するとこのような流れになりますが、様々な要素を考慮しながら繊細な処置が必要になるため十分な知識とマイクロスコープ(https://taruno-ah.com/dental/dentalequipment.html参照)、様々な機材、適切な手技、適切な材料が必要になります。

また修復材料や手技などは日々進歩しているため継続的な勉強も必要になります。

修復した後はこのような外観になります。(左画像:右の歯、右画像:左の歯)


本来の形にすることは強度上困難なためやや主咬頭(歯の大きい方の山)は小さく形成しています。

本当に成功したかどうかは、人と異なり痛みなどでは判断ができないので定期的にレントゲン等で確認しながら見ていきます。

 

歯が割れて(歯が折れて、欠けて)歯を抜くしかないと言われることもあります。

ものを噛んでの破折は多くの場合歯内療法で残せることが多いので歯を得意とする先生にぜひご相談してください。

*動物の歯内療法はまだまだ分かっていないことも多いです。また使う機材、材料はほとんどが人の歯科の材料を用いたものです。治療を受けられる際はその点を理解していただきたいと思います。

 

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