歯周病はわんちゃんのお口の問題で非常に多い病気です。
一般的に小型のわんちゃんは歯周病がひどくなりやすいと言われています。
しかし、もちろん中型~大型のわんちゃんでもならないわけではありません。
今回はバーニーズマウンテンドッグのかわいい女の子です。
ドッグサロンで歯石を指摘されたとのことで来院されました。
見てみると全体的に中程度の歯石があり、歯肉の赤み、強い口臭がありました。
また上のあごの前臼歯の歯肉(歯ぐき)が一部喪失しており、重度の根分岐部病変が疑われました。
また隣の歯の先端も欠けています。
この部分のレントゲンを撮ってみると
こんな風に骨が溶けていました。
この子は反対の同じ部位の歯も
同様の状態でした。
レントゲンを撮らないと骨の状態はわかりませんが歯肉(歯ぐき)に注意して観察することで進んだ歯周病がわかる場合があります。
これらの歯は根分岐部病変の3度(プローブという器具が反対側まで貫通)であり、また左の方は骨が溶けたことにより鼻と口がつながった状態にあったため抜歯を行いました。
その他の歯も歯を支える骨が溶ける段階の歯周炎が多く見られました。
下のあごの犬歯には被毛が多く付着していました。
歯ぐきから毛が生えているように見えますね。
皮膚炎を持っていてなめる子に多い状態です。
この状態の場合、毛の周囲にプラークが付きやすくそのプラークの影響で歯周病が進行してしまうことが良く起こります。小型犬では前歯の隙間で多く見られます。
注意をしてブラッシング等で毛を取る必要があります。
また可能であれば皮膚病のコントロールも同時に行います。
この子は手遅れになる前にドッグサロンさんに指摘されたので幸いでした。
その後再診で来られた際には少しずつ歯磨きを頑張っていました。
これ以上ひどくならなければいいですね。
ご協力いただいた飼い主様、わんちゃんありがとうございました。